PROJECT STORY 04

日本の宇宙産業の発展を牽引する
TSOLの新・衛星管制システム開発

産業・公共ビジネス第1本部
宇宙システム部

プロジェクトの経緯・課題

プロジェクトの経緯・課題

人工衛星を地上から監視/制御する、衛星管制システム。時代に合わせた、「新・衛星管制システム」の開発を進める。

宇宙システム部では「衛星管制システム」を開発しています。衛星管制システムとは、地球の周りを回っている人工衛星を、地上から監視/制御するためのシステムで、国立研究開発法人様を中心に多くの人工衛星において採用していただいています。現在の衛星管制システムの開発からは20年以上が経過しており、大きく以下2つの課題があります。
1.技術の進歩、標準化の促進等、環境の変化への対応
2.民間企業への販売を視野に入れたシステム構成の検討
プロジェクトでは、この課題を解決するため、現在の衛星管制システムをベースに、「新・衛星管制システム」の開発を進めています。

人口衛星「かがやき」の模型

2009年にH-IIAロケットにより打ち上げられた日本の民間企業初となる人口衛星「かがやき」の模型。人口衛星「かがやき」は、2011年4月TIS株式会社と合併したソラン株式会社を中心としたプロジェクトです。

解決方法

システムのあるべき姿や改良計画に基づき開発を進める。さらに利用環境に合わせたカスタマイズを可能とすることにより、お客様にとって利便性の高いシステムに。

技術の進歩、標準化の促進等、環境の変化への対応については、システムのあるべき姿や改良計画をまとめたシステム構想書に基づき、画面デザインの刷新、ユーザインタフェースの改善、処理速度の向上等の改良を進めています。
民間企業への販売を視野に入れたシステム構成については、現在の衛星管制システムの機能を細分化し、お客さまの利用環境に合わせて、必要な機能だけをカスタマイズしてシステムを構成できる作りとなっています。
カスタマイズできることにより、お客さまは、より安価に衛星管制システムを導入できるようになるため、今後の宇宙関連スタートアップ企業等による人工衛星の打上げ機会の増加に対応していきたいと思っています。

開発における課題

若手や、それまで宇宙関連の研究に携わっていなかったりするメンバーを計画的に育成。宇宙や人口衛星の知識がなかったメンバーも、どんどん活躍。

宇宙システム部では、プログラミング、ネットワーク、セキュリティといった汎用的なITの知識だけでなく、宇宙や人工衛星の知識も求められます。
プロジェクトでは、若いメンバーや、学生時代に宇宙関連の研究に携わっていないメンバーも多いため、宇宙や人工衛星の知識の習得に向けた若手の育成が課題となっています。
OJTによる計画的な教育や、定期的な勉強会を開催することで、新しく入ってきたメンバーが「いかに早く戦力になってもらえるか」ということを考えて、活動しています。結果、若手も早いスピードで成長し、どんどん活躍しています。

開発における課題

お客さまの反応や将来の展望

「TSOLの衛星管制システムは使いやすい」とのお客様の声。運用実績と信頼性が高い評価につながる。

宇宙システム部が開発した衛星管制システムを採用している国立研究開発法人様の人工衛星は10機以上あり、これまで運用事故に繋がるような大きな不具合は発生していません。
そういった運用実績と信頼性をお客さまに評価していただけているため、新・衛星管制システムの開発においてもたくさんのご協力をいただけているのだと思います。
「TSOLの衛星管制システムは他のシステムと比べて使いやすいですね」や「TSOLの衛星管制システムは安定しているので安心して使えます」と言った声を聞くと、自身の仕事に誇りを持つとともに、より良いシステムを作ろうという意欲につながっています。