導入事例
日本版GPS 準天頂衛星
モニタ局向け受信機
日本版GPSと呼ばれる準天頂衛星は、GPSの全ての民生用信号に加えて、日本独自の信号も放送する衛星だ。
この衛星が正しく機能しているかどうかを確認するため、国内・海外の10か所のモニタ局を設置し、衛星からの信号を受信・監視している。
当社ではモニタ局で使用される準天頂対応の受信機を古野電気様と共に開発。開発の初期段階から参画し、信号形式を決定するためのプロトタイプ機の開発から製品版の受信機開発に至る全ての期間で、ソフトウェア開発の主要な部分を担当した。
システム開発の課題と解決策
課題
一般的なナビゲーション・メッセージ民用信号(L1)より高強度である
L1C信号や日本独自仕様でGPSの40倍のデータが送れるLEX信号などへの対応。
新しい信号への対応
システムの性質上、24時間連続稼働を実現する高い信頼性。
高い信頼性に対する要求のクリア
国内5局、海外5局に設置されることから、現地に行かないリモートでの運用。
遠隔地での運用に対するメンテナンス性の充実
解決策と効果
動作確認テストを充実させることにより、受信機の完成度を高めた。
衛星側の信号と同じものを生成できる専用のシミュレータを使用し、シチュエーションに応じたシナリオテストを実施。- 航空宇宙分野で使用されているソフトウェアの開発ガイドラインであるRTCA DO-178Bに準拠したリアルタイムOSや開発環境を採用する事により、信頼性を確保。
- デジタル回路には、出荷後でも構成変更できるFPGA回路を選択。受信機の構成変更や各種設定、プログラムの書き換えをリモート環境で実施できる仕組みを構築。これらの対応により、仕様変更等が発生しても、リモートでのメンテナンスが可能となった。